膵腺がん(PDAC)にCXCR4阻害薬、PD-1阻害薬、化学療法の併用に報告。
膵腺がんにはPD-1阻害薬の効果が限られ、CXCR4阻害薬と併用すると、T細胞の腫瘍への浸潤が改善するとマウスで示されていた。今回のフェーズIIaでは、治療歴のある転移性膵腺がんの患者を対象として2つの試験を実施。CXCR3拮抗薬のBL-8040(motixafortide、モチキサフォルチド)とPD-1阻害薬のペンブロリズマブ、さらに化学療法の併用についての安全性と効果、免疫反応を調べた。
プライマリーアウトカムは客観的奏功率で、セカンダリーアウトカムは全生存期間、病勢コントロール率。
試験1では29人で評価し31%で変化が見られない安定。3.4%で部分奏功。全生存期間は中央値3.3カ月。セカンドラインの治療としては全生存期間は中央値7.5カ月とより長くなった。試験2では、22人で評価し、客観的奏功率は32%、病勢コントロール率は77%、全生存期間は7.8カ月。
化学療法の治療効果を強める効果がCXCR3拮抗薬とPD-1阻害薬の併用にはあると見られ、さらなる検証が必要と結論した。
2020年6月米国、スペイン、イスラエル、韓国研究。
Bockorny B, Semenisty V, Macarulla T, et al. BL-8040, a CXCR4 antagonist, in combination with pembrolizumab and chemotherapy for pancreatic cancer: the COMBAT trial. Nat Med. 2020;26(6):878-885. doi:10.1038/s41591-020-0880-x