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20種類の動物が持つACE2タンパク質に対して新型コロナウイルスが結合できるかを調べたところ、感染できる動物の範囲が狭い可能性が明らかに

20種類の動物が持つACE2タンパク質に対して新型コロナウイルスが結合できるかを調べたところ、新型コロナウイルスが感染できる動物の範囲は同類のコロナウイルスよりも狭い可能性があると分かった。

新型コロナウイルスや2003年に香港で流行したSARSはいずれも元来コウモリの持っているウイルスと考えられている。直接的あるいは間接的に人へと感染するようになったと考えられている。感染するときに利用するのが、ACE2タンパク質と呼ばれる細胞が作るタンパク質。ここに結合して感染することができる。

研究グループが偽物のウイルスを使った実験により調べたところ、新型コロナウイルスはSARSよりも結合できる動物の範囲が少ないと想定できた。新型コロナウイルスはネズミや哺乳類以外のACE2タンパク質には結合できない傾向があった。

ACE2タンパク質の配列を分析すると5つのアミノ酸がACE2の利用に重要である可能性があった。特にN末端から数えて20番目と45番目がSARS、新型コロナウイルス、さらに同類のセンザンコウのコロナウイルスの違いにつながると考えられた。

ウイルスの感染経路をたどったり、媒介する動物を調べるなどの研究に応用できると考えられる。

2020年8月中国研究。

Wang Q, Qiu Y, Li JY, Liao CH, Zhou ZJ, Ge XY. Receptor utilization of angiotensin converting enzyme 2 (ACE2) indicates a narrower host range of SARS-CoV-2 than that of SARS-CoV [published online ahead of print, 2020 Aug 13]. Transbound Emerg Dis. 2020;10.1111/tbed.13792. doi:10.1111/tbed.13792

獣医学

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