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急性骨髄性白血病のターゲットであるFLT3阻害とは

急性骨髄性白血病のターゲットであるFLT3阻害とは。

fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)遺伝子の遺伝子内縦列重複(ITD)は、急性骨髄性白血病(AML)で一般的な機能獲得型の遺伝子変異。予後不良で治療反応性である。

FLT3チロシンキナーゼドメイン(TKD)の1塩基変異も機能獲得型。予後に対する重要性については希少性から明確には定義されていない。

FLT3阻害薬の利益は一般的にFLT3-ITDのあるAMLに限られる。しかし反応は一時的で白血病は常に進行する。ITDとTKD遺伝子変異が重複すると、FLT3阻害薬に抵抗性が表れる。

マウスの実験では、FLT3阻害薬での治療前に、ITDとTKD遺伝子変異の重複のある細胞が存在し、選択圧でこれららの細胞が難治性になる形で増えていく。

このため多方面からのFLT3阻害、FLT3依存性、非依存性のパスウェイからの治療戦略が求められる。

2013年中国総説。

Leung, A., Man, C. & Kwong, Y. FLT3 inhibition: a moving and evolving target in acute myeloid leukaemia. Leukemia 27, 260–268 (2013). https://doi.org/10.1038/leu.2012.195

科学

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