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急性骨髄性白血病の治療標的としての「変異FLT3の糖化」

 2019年総説。急性骨髄性白血病の変異FLT3の糖化異常を修正することが治療標的になる可能性についての総説。

FLT3の糖化の違いによってその位置の異常が生じ、シグナルが変化するとされる。糖化が新たな治療標的となる可能性も。

変異FLT3の存在する細胞を阻害する薬剤が糖化に関係していると報告されるようになっている。それは2-デオキシ-D-グルコースによる糖化。ツニカマイシンとフラバスタチンが、Nグリコシル化と関係すると報告されている。Pim-1阻害薬はFLT3 O結合グリコシル化に対するPim-1の阻害作用をさらに阻害すると証明されている。HSP90阻害薬とチロシンキナーゼ阻害薬は、FLT3の総グリコシル化を促進すると示されている。

FLT3遺伝子はCD34陽性の骨髄前駆細胞でのみ発現し、13染色体q12でFLT3タンパク質をコードする。FLT3は細胞内で糖化を経て成熟して細胞表面に移動。こうしたFLT3糖化の異常を修正することが急性骨髄性白血病の治療標的になる可能性がある。

2019年中国総説。

Hu X, Chen F. Targeting on glycosylation of mutant FLT3 in acute myeloid leukemia. Hematology. 2019;24(1):651-660. doi:10.1080/16078454.2019.1666219

科学

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