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ニューカッスル病のワクチンに課題が残されているのはなぜか

ニューカッスル病のワクチンに課題が残されているのはなぜか。ニューカッスル病は、パラミクソウイルス科のニューカッスル病ウイルスによる鳥の病気。神経、消化器、呼吸器、生殖器に病原性を示し、予防のためにバイオセキュリティとワクチンが重要になってきた。

1950年代から、生ワクチンや不活化ワクチンが使われ、さらに最近は遺伝子組換えや免疫学的な技術を使ったワクチンが使われている。弱毒化ニューカッスル病ウイルス、ニューカッスル病の持つタンパク質をコードした遺伝子をウイルスに組み込んだものが使われる。

ワクチンがあっても、ウイルス感染が起こる。背景にあるのは、ワクチンが十分ではない場合があるため。大量飼育の状態でワクチンを行きわたらせるのが難しい、自由飼育や生後日数がばらつく状態であるために徹底が難しいといった理由がある。不安定なワクチンの低温輸送の過程で変質することがある。

さらなる理由は鳥の持つ免疫によるもの。鳥の持つ抗体がワクチン自体を中和して効果を低下させてしまうというもの。

2017年米国総説。

Dimitrov KM, Afonso CL, Yu Q, Miller PJ. Newcastle disease vaccines-A solved problem or a continuous challenge?. Vet Microbiol. 2017;206:126-136. doi:10.1016/j.vetmic.2016.12.019

獣医学

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