2019年総説。進行性の前立腺がんへのプレシジョンがん医療に向けた進歩や課題の解説。
去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)は、治療法を左右する遺伝子や治療抵抗性メカニズムが判明している。例えば、DNA修復メカニズムに関係するBRCA2遺伝子の変異があると、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害薬(PARP阻害薬)やプラチナ製剤による化学療法が適していると分かる。さらに、免疫チェックポイント阻害薬の反応性は、ミスマッチ修飾(MMR)遺伝子欠損、マイクロサテライト不安定性(MSI)が関連する。RB1遺伝子欠損は予後悪化と関係。がんの詳細な情報に合わせて治療を行うプレシジョンがん医療が可能になってきている。
課題は、がんには異質な細胞が混在すること、遺伝子同士の相互作用、メカニズムの多様性など。検査の進化をどう取り込むかも重要になる。
2019年米国、カナダ総説。
Ku SY, Gleave ME, Beltran H. Towards precision oncology in advanced prostate cancer. Nat Rev Urol. 2019;16(11):645-654. doi:10.1038/s41585-019-0237-8