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新型コロナウイルス感染症のバリアントとワクチンについての総説

新型コロナウイルス感染症のバリアントとワクチンについての総説が報告されている。

英国や南アフリカ、ブラジルなどでバリアントが報告されており、インドからはデルタバリアントが報告されている。さらに、「3重変異型バリアント」がインドから報告されている。2021年4月20日に発見された新しい三重変異体は、デルタバリアントの持つ二重変異体のE484QとL425Rに加え、Sタンパク質のH146delとY145delという2つのアミノ酸が欠失が特徴となっている。2021年4月21日現在、インドで合計1189検体の陽性反応が確認された。3重変異体の変異体は感染性が高く、3つの変異のうち2つは抗体に耐性があり、自然な獲得免疫から逃れる能力を持つ。ワクチンの効果はまだ明確ではない。

一方で、「N440K」という、Sタンパク質に変異がある別の新しい変種が出現している。インドのアンドラ・プラデシュ州で症例が急激に増加。亜種はACE2受容体への結合力が強化され、感染力が10倍から1000倍高くなっている。クラス3モノクローナル抗体C135やREGN10987に耐性があることが判明。抗SARS-CoV-2抗体が存在する状態で再感染した事例がいくつか報告され、ワクチンによって誘発された抗体の中和活性が失われている可能性を示しているとする。

mRNAワクチンであるファイザー社とモデナ社は、南アフリカの変種(B.1.351または20H/501Y.V2)の株が国内で確認される前に米国で認可されたが、2つのワクチンの中和抗体は、以前の株の中和抗体よりも低い値を示している。Novavax社、Janssen社、Astra-Zeneca社は、B.1.351変異株が優勢な南アフリカで試験を実施。他の亜種と比較して、ワクチンの有効性が低いことが示された。

中国のワクチンは、B.1.526とB.1.525では、ワクチンの有効性が低下。

Bharat Biotech社のCOVAXINワクチンは効果的に感染を中和することがわかっており,二重変異型に対して78%の効果があるとされているとする。

ワクチンブレークスルー感染への警戒は広がっているが、現状では死者は多くはない。米国では2020年12月14日以降、2021年4月13日時点で7500万人以上が完全にワクチンを接種。同時期に米国内では5814件のワクチン・ブレークスルー症例が報告されたとする。全症例の45%が女性、29%が無症状、45%が60歳以上、7%が入院、1%が死亡。

ワクチン忌避が問題とみられている。

2021年6月、米国総説。

Vasireddy D, Vanaparthy R, Mohan G, Malayala SV, Atluri P. Review of COVID-19 Variants and COVID-19 Vaccine Efficacy: What the Clinician Should Know? J Clin Med Res. 2021 Jun;13(6):317-325. doi: 10.14740/jocmr4518. Epub 2021 Jun 25. PMID: 34267839; PMCID: PMC8256910.

新型コロナウイルス感染症

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